今年の死刑廃止デーの企画は「死刑廃止フォーラムin名古屋」と「愛知県立大学」とのコラボのもと、平岡秀夫元法務大臣をお招きして講演会を開催しました。予算を持たない市民団体のため約半年前から仲間たちで工夫して準備をしてついにこの日を迎えました。
 県立大学は長久手にありますが名駅にサテライトキャンパスがあり、ここで開催できました。テーマが死刑廃止ということもあり毎年、20名~50名と年によって参加人数に幅があります。今回は県立大学の川畑先生がゼミで取り上げて下さったことと、日弁連が10月7日、福井市で開催した人権擁護大会で「死刑廃止宣言」を採択したことがマスコミで報道されたことが影響して会場は満席になりました。数名の方々にはお帰り頂くことになってしまい申し訳なく思っています。
(中日新聞が県内版で取り上げてくださいました)
死刑廃止講演会中日新聞
 この講演会は3時間です。誰一人中座することなく、熱心に平岡元法務大臣の話を聞き、映画「望むのは死刑ですか=59分」を見て、意見を交わしました。特に大学生40人ほどの参加は初めてのことであり今後につながりそうです。これは県立大の川畑先生が事前に学生に資料を配布し、勉強をしたうえで出席の意向を確認してきた成果でした。学生は死刑制度の根本からその是非をや問題点を問い直して質問・意見を発言しました。また、平岡元法務大臣は発言に対する采配が上手で、活発な意見を聞くことができました。

◎「死刑が本当に極刑なのか」「なぜ冤罪がありうるのか」「ほとんどの人々が、自分または身のまわりの人が、加害者になりうることを想定していない」「死刑廃止国の国民からは、なぜ死刑が必要なのかわからない」など印象に残った。・・・参加者より
◎討論会後、清々しい気持ちになった。学生は川畑先生の下でしっかり勉強して死刑の事を根本から問い直していると感じた。今後に期待したい。・・・参加者より
◎こういう活動を一つ一つ積み重ねることがいずれ国会での議論を触発することになることを期待・・・参加者より

(講演会の写真です)
平岡元法務大臣①

平岡元法務大臣②

◎タイミングよくという言葉がありますが、映画「望むのは死刑ですか」の監督・長塚洋氏も新幹線の帰り道という事で参加してくれました。この映画は日本では死刑存置を望む声が世論の80%と言われるが本当なのか?国民が死刑制度をどこまで知り、命を奪う刑罰の是非を考え抜いて出した結論にもとづく世論か?都民135人を集めて行われた審議型意識調査で市民たちが模索する姿を映し出した内容です。

 個人的には、平岡元法務大臣とは2000年に初当選した仲間であり、平岡氏は5期衆院議員をされた方です。懇親会では企画した仲間と半年の活動を一つ一つ振り返りながら、また平岡元法務大臣や長塚監督とも講演会では聞けなかったお話をして無事に新幹線にお送りできました。

 平岡元法務大臣は現在は東京で弁護士として様々な事件で活躍されています。お礼メールに対する返信は日弁連の「死刑廃止宣言採択」決議直後に、大変良い機会をいただいた。多くの国民の皆さんが死刑制度について議論していけるようにお互いに頑張りましょう~と、この講演会が盛会であったと受け取れる内容でした。
 日弁連は「2020年までに仮釈放のない終身刑の導入を検討する死刑廃止」を目指すとしています。私はこの運動に参加して26年過ぎました。4年後は30年目となります。