韓国の旅二日目・・李洛淵(イ・ナクヨン)知事には昨夜ソウルに着いてから電話をしたのですが急きょお会いする日程を作って下さいました。知事とは2000年にそれぞれの国で国会議員になり「死刑制度廃止議員連盟」の活動を通して知り合って以来の旧友です。氏は議員4期目の途中で国会議員を辞して故郷の全羅南道の知事に立候補して当選しました。議員と違い10分刻みで日程があると秘書官が話してましたがやり繰りしてくださったと思いました。留学時代からの友人夫妻が車を出してくださったので一緒に小旅行という一日でした。ソウルからは韓国版新幹線KTXで2~3時間、車ですと4時間です。インターチェンジには日本語通訳の女性が乗った車が待っていて道庁まで案内してくれました。
知事と①
※李洛淵知事と私です。
 え?これって私のこと?23階建ての高層ビルの道庁の玄関を一歩入ると目を疑うような大きな歓迎の幕が飛び込んできました。知事は政治家になる前の20代の頃、韓国新聞(東亜日報)の東京特派員をしていました。日本語は日本人よりも上手で日本の隅々のことを深く知っています。道庁の23階が知事室で22階までは道を構成する22の地方自治体の為にあると達者な日本語で話してくれました。直通のエレベーターで案内されましたがそこにも次のような歓迎の看板があり、驚きました。
知事と②
知事室での面談は約30分ほどでしたが懐かしさと、知事の仕事の話で時間はすぐに過ぎてしまいました。
知事と③
※知事室の応接テーブルで。

知事と⑤
※右端と左端のお二人が友人ご夫妻です。奥様は日本に留学していたので不自由なく日本語が話せます。

私たちのアポイントは夕方でしたが午後2時頃までに着くように言われてました。そこには知事の日本人である私へのある思いがありました。全羅南道は韓半島の南西にあり日本はすぐ隣です。日韓の近代史を物語る跡がありそこを見てほしかったと後で知りました。私たちは国際協力官室の日本語通訳の朴淳任(パク・スンイン)さんの通訳と現地のガイドさんの案内で三か所を視察することができました。

① 【木浦(もっぽ)近代文化通り地区】
旧日本領事館、旧東洋拓殖株式会社の建物が当時のまま歴史館としてあります。
木浦近代歴史跡①
※旧日本領事館です。116年前の姿のまま文化財として保存されています。煉瓦は大阪から運んできた赤レンガです。この地域で最も古い建築物です。(写真前列右端の女性が日本語通訳のパクさんです)
木浦近代歴史跡④
※東洋拓殖(株)という貿易会社のビルです。韓国で4番目に開港した木浦港です。当時はロシア、アメリカ、イギリス、ドイツ、日本人しか住むことが許されなかったそうですが、ロシア人は来なくて90%が日本人だったそうです。日本人によりつくられた町で木浦市の歴史の出発点であったそうです。日本人がアメリカ産の綿を木浦で安く生産して貿易をしておりその貿易会社のビルです。次の写真はビルの中の金庫で綿が入れてあったそうです。
木浦近代歴史跡③
※グレーの扉が金庫のドアです。中は金庫というよりも大きな部屋でした。
木浦近代歴史跡②
※1928年ウエダルド海水浴場です。着物姿の女性は日本人です。

② 【共生園・児童養護施設】
1928年生まれ日本人、田内千鶴子さんが木浦に開設した児童養護施設です。日本に6年間おりその後50年間この地で亡くなるまでに3,000人の韓国人の孤児を育てた女性です。現在は60名ですが朝鮮動乱の時は500人~600人の孤児の面倒をみていた方です。知る人が誰もいない韓国で3,000人の母として生きた方です。
共生園③

共生園②
※田内千鶴子さん(韓国人と結婚して朝鮮名に=尹鶴子)のお孫さんの鄭愛羅(チョン・エラ)園長さんと庭で。

③ 【金大中ノーベル平和賞記念館】
韓国第15代大統領であり、韓国人初のノーベル平和賞を受賞した故・金大中大統領の生涯を様々な映像や資料で見ることができました。ソウル市内ではなく、出身地に建てられ子供たちにはノーベル賞とはどういうものか学ぶ事も出来るようにつくられています。
金大中記念館①

金大中記念館③

金大中記念館②

金大中記念館④

 李洛淵知事の招待で初めて訪れた故・金大中大統領を輩出した全羅南道木浦市でした。夕食には間に合わないということで、前在日本大韓民国・仙台領事を務めた国際関係大使の李凡淵(リ・ブヨン)氏との会食の席を設けて下さいました。大使は日本語が私よりも上手で日本の文化もとてもよくご存知で素敵な方でした。5月からは、在ヨルダン大韓民国大使として朴大統領から辞令をいただいたと話してくれました。今日が道庁最後の日とか、また一人ご縁を頂きました。
夕食会③
※58歳のイケメンということで道庁の女性職員たちはヨルダンへの赴任を寂しがっているそうです。((´∀`*))
夕食会②
夕食会④
写真のおご馳走を皆さんで食べ終わった頃に、知事が突然出現です。みんなビックリ。さてそれから日にちが変わる直前までお酒を飲みながら談話して、ソウルに戻ったのは午前3時。李洛淵知事のシナリオ通りに過ごした一日でした。「地方政治は楽しい、市民に身近でやりがいがありますね。道庁職員には、市民の立場で仕事をしなさいと毎日言っていますが4%の職員が理解しているだけです・・・」この李洛淵知事の言葉は私の心にもズンと響きました。