2017年08月

     行政視察2日目は埼玉県和光市の「地域包括ケアシステム」について学びました。和光市の取組は先進的であり全国の自治体から視察依頼が殺到しているもようです。北は岩手県花巻市議会、南は長崎県長与町議会と6団体の合同で会議室で行われました。
    (パワーポイントを見ながら、資料を見ながら静かにお話を聞きました)
     29年8月1日視察②

     29年8月1日視察③
    (あらかじめ座席表が作成されていました)
     29年8月1日視察④

     「東内 京一」保健福祉部長の説明がすごい!ご自分が実践してきたことなので全てが頭の中に入っていました。55ページにわたる資料をパワーポイントを利用して90分ピッタリで説明。その後30分間の質疑です。私も資料を読み込み事前にペーパーで質問を提出して臨みました。しかし、和光市の地域包括ケアシステムがあまりにもきめ細かく、深く市内全域に浸透しており、質問は90分間の説明で不要になってしまいました。

    【内 容 説 明】
    ◎先進的な取組を行っている和光市と大分県では、①介護認定率の低下 ②介護保険料の上昇抑制という成果がありました。その取組内容です。
     データに基づく地域課題の分析
     取り組み内容・目標の計画への記載
     保険者機能の発揮・向上
     ・リハビリ職種と連携して効果的な介護予防を実施 
     ・保険者が、他職種が参加する「地域ケア会議」を活用しケアマネジメント支援等を実施
    ◎「我が事・丸ごと」地域作り・包括的な支援体制の整備
     「我が事・丸ごと」の地域福祉推進の理念を規定 支援を必要とする住民が抱える多様で複合的な地域課題について、住民や福祉関係者による①把握及び②関係機関との連携等による解決が図られることを目指す旨を明記。
     行政というのは事業を行う時に必ず「計画」をたてます。その計画の中に実施することを「明記」したならば実行しなければなりません。東内部長はこの行政の基本的なことを踏まえて事業を実施してきたと思いました。

     地域包括ケアシステムがなぜ必要か
     和光市の年齢別人口推計表、要介護度別認定者の推移表など、このようなデータから地域包括ケアが求められる理由を想定しています。
     2025年度の高齢社会を踏まえると①高齢者の生活課題の増大②単独世帯の増大③認知症を有する者の増大を想定。→①介護保険・医療保険サービスのみならず、見守りなどの様々な生活支援②成年後見等の権利擁護③住居の保障④低所得者への支援など様々な支援が切れ目なく提供されることが必要
     現状では各々の提供システムが分断され、連携が見られない。
     地域において包括的、継続的につないでいく仕組み「地域包括ケアシステム」が必要・・となる。

     以上のような考え方で
    ・子ども子育て施策
    ・医療・介護サービス保障の強化(改革のイメージ作成)
    ・「自助・互助・公助」からみた地域包括ケアシステム~などの説明をお聞きしました。

    「妊娠期からの切れ目のない支援~わこう版ネウボラ」(フィンランド語でアドバイスの場)
     この制度は「子育て世代地域包括支援センター」として拠点が整備され、和光市役所・ネウボラ課が設置され事業が実施されています。最も感銘を受けたのは「産前・産後ケア事業」です。
    (通所型サービス)
    ・ショートステイ 退院後~生後4か月(対象:乳児及び保護者) 一泊5,000円 日帰り1日4,000円
    ・デイケア 妊娠~生後10か月(対象:乳児及び保護者) 一回1,000円 心身のケア、育児・母体の管理指導・保護者同士の交流の場の提供
    ・新生児等一時保育 生後56日まで 9:00~17:00 2,500円 
     これらのサービスは、周りに身内や相談する相手がいない都会での子育てをする保護者には、とても頼りになるだろうと思いました。特に一人親での子育て世帯には優しいサービスと感じました。

     親自身の自己実現を卵の殻と考えた時に、この卵の殻が厚い中での子育てと薄い殻の中での子育てとでは子どもの育ち方が違ってくる。このような生活行為に対する個人因子に的確なアセス(環境因子)をすることにより、どの子も平等な環境で育ってほしいという和光市のメッセージが聞こえてきました。

     マクロ的な政策(①基本方針②介護保険事業計画③サービス必要量・供給量④基盤整備)→コミュニティケア会議→ミクロ的な支援(①ケアマネジメント②自立支援・予防③重度化防止④人材育成)、このように保険者=和光市がマクロ的な計画を立て、ミクロ的な支援をする、その真ん中に地域ケア会議があり政策機能の核ができて相互に支え合っていることがわかりました。 

     和光市の「地域包括ケアシステム」に対して全国から視察が殺到する理由がよくわかりました。介護保険=65歳~だけではなく、生まれてから生涯を終えるまでを丸ごと行政が支える仕組みを作ってきました。
     一度に6団体の視察を受け入れて下さった和光市議会、そして東内部長様ありがとうございました。
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     教育福祉委員会・行政視察第1日目 うめだ・あけぼの学園における発達障害乳幼児の支援について学んできました。東京都足立区にあります。事前に資料で勉強をしましたが「百聞は一見にしかず」という諺の通りでした。
    (加藤正仁園長先生:右端と、教育福祉委員の6人のメンバー)
     29年8月1日視察⑱
    (社会福祉法人からしだね・うめだあけぼの学園 新幹線→JR→私鉄→徒歩)
     29年8月1日視察⑦
     足立区の職員が道案内ということで梅島駅に来てくれました。長久手ではタクシーを利用する距離感ですが徒歩・・で。車のまち愛知ではなくここは都内。どこへ出かけるのにも電車と「足」ということを実感しました。
     視察先のうめだ・あけぼの学園では園長先生が直接施設内を案内してくださいました。平日なので利用者親子、スタッフの先生方が普段通りいらっしゃるのでご迷惑にならないようにと気を使いましたが、逆に学園側が視察を歓迎してくださいました。
    (加藤園長先生は自己紹介の後、効率の良い視察となるようにとすぐに施設内を案内してくださいました。)
     29年8月1日視察⑤
     園長先生は何と名古屋市名東区上社生まれで、高校まで名古屋、そして東京の大学で学びそのまま今日まで発達障害を持った乳幼児の支援を約40年間続けてこられました。
    【うめだ・あけぼの学園】 
     障害があっても自己選択・自己決定ができる力、自立心を育むことを大切にしています。モンテッソーリ教育(※)を基本におき0歳児からの発達支援を行うほか、医療スタッフを含めたチームでの支援体制環境が整っています。
    ※モンテッソーリ教育・・イタリアで初の女性医学博士となったマリア・モンテッソーリが創設した教育法。知的障害児の治療教育の成果を基礎として、幼児の心身の内部的な発達要求に応じつつ、適切な環境のもと一人ひとりの子どもが独自の創造性と喜びに満ちた活動を展開できるように援助を行う。
     昭和52年に設立された児童発達支援センターです。発達障害乳幼児・リスク児の発達支援とその家族の支援を目的とし、医療スタッフを含めた多職種による学際的なチームアプローチを実践しています。
    (医務・静養室です)
     29年8月1日視察⑨

      通所施設となっている園のため、保護者も一緒に通園する「親子通園室」(定員44人)と、子どもだけを対象に集団支援を行う「毎日通園室」(定員70人)があり、都内外の保育園に在園しながら1日100人を超える児童が通園しています。
     (親子通園室:ドアの前に置かれた履物で親子通園室とわかりました)
     29年8月1日視察⑧

    毎日通園室:父親参加行事は木の椅子を牛乳パックで優しく包むこと。子育て参加を促す手段のようです)
     29年8月1日視察⑪
     ・今日は8月1日ですが、昨日と明日もわかるように工夫されています)
     29年8月1日視察⑥
     ・今日の給食です。
     29年8月1日視察⑩

    多目的ホール:沢山の種類の運動が出来るように工夫されています)
     29年8月1日視察⑬

     29年8月1日視察⑭

    図書室:各分野別の専門書を揃え保護者にも解放されています)
     29年8月1日視察⑯

     29年8月1日視察⑰

     (特徴)多職種による学際的なチームアプローチを実践
     障害のある子どもとその家族は、多様な発達ニーズを抱えているのでどんなに優秀なスタッフであったとしても、一個人一職種で完結することは難しいという。園長のお話では、問題はソフト面であり使命感を持っていることが大切であると。そのためうめだ・あけぼの学園では医師、看護師をはじめ、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、社会福祉士、臨床心理士、臨床発達心理士、治療教育士、そして保育士、児童指導員、栄養士、調理士など、子どもの育ちについての知識・技術・情報・経験を持った専門職によるチームアプローチを実践ているそうです。それぞれの専門家がその子と家族をどうするかをタイムリーに対応できるようにすることを大切にしているそうです。

     もう一つ大切なことは職種間に優位性が生じないようにお互いにないものを提供していく関係も重要と考えているということです。

     お互いを刺激し助けあうことを学べる環境づくり(例)
     同園では食事の配膳・盛り付けを、自発的に名乗り出た子どもが行っています。「食べる」という欲求は一番のモチベーションのあがる場面であり、子どもの主体性や、やる気を育てる絶好のチャンスになるそうです。学校や家庭では、危険であることを理由に大人がやってしまうことが多く、これはその機会を奪うことになると考えています。人というのは子どもたちにチャンスを与えられずに「できない」と決めつけられ、できないのは障害のせい、とされているのだと。人は、自分が役に立っているという有用感を実感することが非常に大事で、障がいのある子どもたちもそれを実感していくことで、失敗を恐れず様々なことに挑戦するようになり、意欲、やる気につながっていきます。うめだ・あけぼの学園では意識的にそのような場面を提供し、家庭でも実践してもらえるよう伝えていくことを大切にしているそうです。

     この園には社会の傾向が変わり13か国の子どもが通っています。そして家族の形態も多様化して親がメンタルになったり、DVもあるそうです。園長は絶えず、子どもをどう育てたいのか考え、子どもたちの幸せの為に人生を懸けていると話を締めくくられました。(視察後の質疑)
     29年8月1視察①

    【園長の情熱の証・・2点】
    ・1995年 故ダイアナ英国元皇太子妃が訪問
     29年8月1日視察⑫
    ・元巨人軍監督、長嶋茂雄氏 訪問
     29年8月1日視察⑮

     改めて資料に目を通すと、資料に書かれていることと全く同じ内容を加藤園長先生は私たちに説明してくださったと分かりました。40年間、人生をかけて取り組んできた発達障害乳幼児支援です。今後は「相談支援事業」のニーズも拡大していくなかで採算を考えていたら前に進めないとおっしゃっていました。
     お忙しい中、学園での取り組みの隅々までご案内いただき本当にありがとうございました。

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