教育福祉委員会の6人のメンバーは議会事務局長の運転で豊田市へ行政視察に行ってきました。視察先はあらかじめ先方に依頼をしてありますので時間通りに私たち一行を出迎えていただき、また視察目的に沿った資料と担当者が質問事項に対して丁寧に答えて下さいました。
 視察先は二箇所で、「とよた子どもの権利相談室」と「中央図書館」です。

☆こどもの権利相談室
 豊田市では2007年10月に「豊田市子ども条例」が施行され、この条例に基づいて各種施策や事業が取り組まれています。これらの内容について密度の濃い調査ができました。質疑の中で、根底に「子どもの視点で考える」「中立であること」がしっかりと伝わってきました。そして小中学生から始まり、若者のニート・ひきこもりへの対応支援(~39歳)までと幅広い取り組みを継続的に行っていることがわかりました。それぞれの年齢に合わせた様々な資料や啓発グッズも配布していました。
4月12日豊田市視察⑪
 行政、学校、教育委員会、家庭、関係機関などと幅広い連携をはかっています。昨年8月に東京都世田谷区の、子どもの権利をまもる「せたホッと」を視察した折に、豊田市も先進的な取組をしていると紹介されたことをうけて訪問しました。
 私は、小さな子供が家族や学校の先生にも言えない悩みをどのようにして第三者機関が相談にのれるのかとても関心をもっていました。そのためには、まずはこの相談室へ連絡してくることから始まります。豊田市では小学校と中学校と分けてフリーダイヤルの入ったカードを全児童、生徒に配布していました。
 世田谷区では消しゴムでしたから毎日使うものなので自然に子どもたちが意識できるな!と思いそのことを話したところ、何と豊田市ではボールペンでした。
BlogPaint
 赤色ボールペンです。黒はよく使いすぐになくなってしまうから「赤色ボールペン」にしたという説明を聞いて、担当者の熱意を強く感じました。帰りに1本づつ頂戴することになり、請求したようでちょっぴり顔が赤くなりました。
(相談員の方々と記念写真・視察の様子です)
4月12日豊田市視察③

4月12日豊田市視察⑤

☆中央図書館(指定管理者制度を平成29年4月1日から導入)
 図書館は名鉄豊田線、豊田市駅前にある「豊田参号館13階建」の3~7階です。このビルには他に「能楽堂」「コンサートホール」があります。まずは施設の見学から始まりました。
(図書館出入り口・・ちょっと抵抗を感じました)
4月12にt豊田市視察③
(点字図書の多さにビックリ!)
4月12日豊田市視察①
(人にやさしい図書館・・の特徴です・・大きな活字の本です)
4月12日豊田市視察②
(乳児連れ利用者や子どもに配慮したコーナーです)
4月12日豊田市視察⑧

大きな特徴として「自動車資料コーナー」
 豊田市ならではの自動車関連図書が約58,000冊収集してありました。この図書は全国の自動車関連会社に勤務されている方々が借りているそうです。
(各自動車メーカーの車種ごとに発行されている厚い専門書です。初めて見ました!)
4月12日豊田市視察⑥
(子どもの相談室・・を連想させる図書も充実しています)
4月12日豊田市視察⑨
(広い空間がありゆったりと利用できそうです)
4月12日豊田市視察⑦
全国の中核市では最大の延べ床面積(12,567㎡)を誇り、蔵書数約114万冊。閲覧席は608席です。
事前にこちらから質問を送付させていただき、これに沿って質疑をさせていただきました。

1 指定管理者制度を導入した考えとこれまでの経緯について
(説明)17年前にオープンしたがインターネットや携帯端末の影響で利用者・貸出数が減少。そのため「出会いと交流・こども図書・課題解決」という方針に基づく取り組みを効果的・効率的運営体制の下で進めるために導入した。
 このことにより市民サービスが向上・・例:開館時間の延長 午前10時~午後8時
2 指定管理者の決定では複数の候補者はいたのか。また指定管理期間は
(説明)候補者は1社(TRC・ホ―メックス共同企業体) 期間は3年
 質疑の中でわかったことは、指定管理料の中に「図書購入費」も含まれていました。私は地元の書店に影響がでないような対応があるかたずねたところ、一般図書の8割を地元書店から、専門書を指定管理者のTRCから購入ということでした。購入図書の選定については「市の基準」を持っているので指定管理者(TRC)と協議して、購入はTRCがするということでした。
3 不明本の年間冊数・・毎年3,000冊程度=0.3%

 長久手市の図書館でも「指定管理」の話がでていることから今回の視察になりました。豊田市は指定管理により開館時間の延長ができたという説明でしたが、コストをかけずに利用者増をはかることについては導入直後でしたから明確な説明を聞くことは出来ませんでした。すぐ近くに開発中のビルが11月にオープンしそこはシネコン=映画と図書館になると知りました。図書館の見せる化を事業者と連携して行うそうです。

 人口約5万6千人の長久手市と42万3千人の豊田市とは財政規模、地理的条件など違いますから参考になる事とそうでないことをしっかり見極めて、今回の視察の成果を活かしていきたいと思いました。